不動産賃貸の媒介報酬(仲介手数料)の上限についてシンプルに表にまとめました。根拠となる法律の条文と引用元も公開しておりますのでご参照ください。
媒介報酬の制限
結論から言うと、媒介報酬に関する制限は大きくわけて2つあります。
【制限①】
貸主及び借主から受領する仲介手数料の合計は「月額賃料(税抜)の1.1倍」以内とする。
【制限②】
居住用物件において一方から受領できる仲介手数料は「月額賃料(税抜)の0.55倍」とする(但し、依頼者の承諾を得ている場合は除く)。
事例
取引が多い居住用物件の媒介報酬について事例を表にまとめました。
【原則】
貸主 | 借主 | |
媒介報酬の額 | 賃料×0.55倍 | 賃料×0.55倍 |
【実際にある事例①】
貸主 | 借主 | |
媒介報酬の額 | 0円 (但し広告費等の名目で賃料×1.1倍) | 賃料×1.1倍 (依頼者の承諾が必要) |
【実際にある事例②】
貸主 | 借主 | |
媒介報酬の額 | 賃料×1.1倍 (更に広告費等の名目で賃料×1.1倍) | 0円 |
根拠となる法律と条文
根拠となるのは『宅地建物取引業法』と『昭和45年建設省告示第1552号(最終改正令和元年国土交通省告示第493号)』の2つです。読みにくいかもしれませんが、情報を正確に伝えるためにそのまま引用します。
『宅地建物取引業法』
(報酬)
第四十六条 宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関して受けることのできる報酬の額は、国土交通大臣の定めるところによる。
2 宅地建物取引業者は、前項の額をこえて報酬を受けてはならない。
3 国土交通大臣は、第一項の報酬の額を定めたときは、これを告示しなければならない。
4 宅地建物取引業者は、その事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、第一項の規定により国土交通大臣が定めた報酬の額を掲示しなければならない。
『昭和45年建設省告示第1552号(最終改正令和元年国土交通省告示第493号)』
第四 賃貸の媒介に関する報酬の額
宅地建物取引業者が宅地又は建物の貸借の媒介に関して依頼者の双方から受けることのできる報酬の額(当該媒介に係る消費税等相当額を含む。以下この規定において同じ。)の合計額は、当該宅地又は建物の借賃(当該貸借に係る消費税等相当額を含まないものとし、当該媒介が使用貸借に係るものである場合においては、当該宅地又は建物の通常の借賃をいう。以下同じ。)の一月分の一・一倍に相当する金額以内とする。この場合において、居住の用に供する建物の賃貸借の媒介に関して依頼者の一方から受けることのできる報酬の額は、当該媒介の依頼を受けるに当たって当該依頼者の承諾を得ている場合を除き、借賃の一月分の〇・五五倍に相当する金額以内とする。
引用元
e-Gov法令検索『宅地建物取引業法』
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=327AC1000000176
昭和45年建設省告示第1552号(最終改正令和元年国土交通省告示第493号)
https://www.mlit.go.jp/common/001307055.pdf